Concept コンセプト

農業を始めたきっかけ

農業をはじめたきっかけ

白馬で不動産業を立上げて40年を超えましたが、あるとき地元の方から農業を辞めたい、ついては田んぼ4反歩とトラクターなどの農業機械と機械を入れておく倉庫を併せて処分したいとの要望をもらいました。

私は岡山県の山間部で生まれ育ち、高校を終えるまで実家の3反歩ほどの農業を手伝ってきました。当時は牛を使っての作業で、田植え、稲刈りは家族総出の手作業といった具合で苦しかった思い出しかありませんでした。

地元の方からこの田んぼを売りたいとの話をもらってかなり逡巡しましたが、思い切って購入しました。このとき65歳(平成26年)でした。その年から8年間コシヒカリを作ってみましたが一度も黒字になったことは有りませんでした。

農水省の農業白書によれば、小規模米作農家では全く利益は出ず、5ヘクタール以上の作付けをしないと利益は出ないようです。一般的に作るより買って食べた方が安上がりと云われているところです。

「シルクスィート」と
「種子島べに芋」の
植え付け

「シルクスィート」と「種子島べに芋」の植え付け

私の子供時代の昭和30年代の我が家のおやつはさつま芋の「蒸かし芋」でした。岡山県の片田舎でしたがどの家も食べるのがやっとといった具合で、お店で買うようなおやつが出てくることはまず有りませんでした。芋が取れだすと芋ばかり、柿が取れるようになると自分で包丁を持って柿の木に登り、皮をむいて毎日食べていました。

芋は室に入れて長期保存していましたので秋から春頃まで何度もおやつで出てきました。その頃の芋は甘くなくて美味しいものではなかった思い出が残っています。大人になって芋は子供の時に一生分食べたのでもう食べないと云っておりました。

しかし近頃では「紅はるか」とか「シルクスィート」などの新品種が出てきて、とても美味しいものだと思うようになり芋好きになりました。

今年の6月には「シルクスィート」と「種子島べに芋」を沢山植え付けました。

甘栗「岡山1号」との出会い

甘栗「岡山1号」との出会い

小さいときから栗拾いが好きでした。拾ってきた栗を母親が栗ご飯にしてくれるのも大好きでした。

平成30年の春になってある方から農地を取得しました。趣味の米作りで田んぼは増やす気にもならず、小さいときから好きであった栗を植えることにしました。

ネットで調べた結果、岡山県が開発した中国系の甘栗で「岡山1号」という栗が有ることを知り、早速30本ほど苗を取寄せ家族総出で植えてみました。この栗は和栗に比べると糖度が30度を超えてあり、熟成させると40度にもなることと、渋皮が容易に剥ける特徴があります。和栗に比べると倍近い価格で取引されています。

毎年秋になると栗を頂戴することが有ります。それを調理する家内を見ていると渋皮取りに苦労していましたので、簡単に渋皮が剥けるのならばという理由もあって「岡山1号」に決定しました。

翌年にも30本を超える栗苗を植えました。当初は漠然と栗ご飯でも出来ればいいやと簡単に考えていましたが、60本を超える栗の樹では栗ご飯にするだけでは採れる量が多すぎると気づいて、真剣に利用方法を考えるようになりました。岡山1号は長野県では私の所だけで栽培していると思います。

ヘーゼルナッツを
白馬村の特産品にすべく、
仲間を増やしていきたい

ヘーゼルナッツを白馬村の特産品にすべく、仲間を増やしていきたい

令和2年になってある方から、長野市の方がイタリアからヘーゼルナッツの苗を輸入して、長野県でリンゴに代わる特産品にしたいと頑張っているとの話を聞きました。早速情報を集めて、栗と共に白馬村の特産品にしようとの目標を立てて、翌令和3年度から毎年苗を取寄せ今年令和6年までに500本ほど白馬に植えました。

今年最初に植えたものが4年目に入り可愛い実を付け始めました。イタリアから取り寄せた苗は世界で一番美味しいと言われているピエモンテ産のトンダ・ジェンティーレ・トリロバータ種です。調べてみるとヘーゼルナッツは世界三大ナッツの一つで、他のナッツに比べて圧倒的に多くのオレイン酸を含み抗酸化作用もあって血液サラサラ効果も高く健康にとても良いとのこと。よし、これだと即決しました。

白馬村では現在わたしを含めて3人がヘーゼルナッツを育てています。合わせると800本を超えています。白馬村の特産品にすべく協力しながら仲間を増やしていきたいと思ってます。

白馬三山の麓で
農業をできる喜び

白馬三山の麓で農業をできる喜び

白馬村には白馬三山があります。標高2932mの白馬岳を筆頭に杓子岳、白馬鑓ヶ岳が並んでいます。
四季折々に素晴らしい景観を見せてくれます。

春になると残雪の山と青い空、麓には新緑が次々に増えて、農業で疲れた腰を伸ばしながら山を見るとホッとします。

季節毎に移ろう白馬三山の麓で「芋、栗、ナッツ」を育てることのできる喜びを噛みしめています。